住職ごあいさつ
仏教とは、幸せになるための教えです。
ほんとうの幸せとは、すべての生きとし生きるものと共に、互いに存在を喜べることです。阿弥陀如来(あみださま)は、そんな人々の願いが叶う場として、差別も貧困も戦争もない世界を、48項目のお誓いを成就した極楽浄土として建設し、すべての人を漏らすことなく迎え入れてくれます。
だれもが、何も不安を感じることなく、そのいのちを目一杯輝かすことのできる世界です。
今の言葉でいえば、国連のSDGs(持続可能な開発目標)が達成されたその先の世界でしょうか。「世界人権宣言」「子どもの権利条約」「差別撤廃条約」・・・・などが根を下ろした世界。日本の憲法9条が普及した世界でしょうか。
いま、私たちの世界は様々な問題を抱え、人々は不安の中に生きています。あるいは、私たちの生き方、社会のあり方が、周囲や未来へ不安をもたらしています。私たちの周りの、そして世界中の不安や苦しみを受け止め、そこから私たち自身のありようを問いかけ、さまざまな課題に、地道に、具体的に取り組む人々と共に、本当にめざすべき世界をしっかりと見据えて、一日一日を生きて行きたいと思います。
見樹院住職(第20世)/ 寿光院住職(第17世)
大河内 秀人
Hidehito Okochi
欣求浄土 無核無兵
見樹院/寿光院 は 「欣求浄土 無核無兵」を掲げています。
「欣求浄土」は、三河岡崎の大樹寺第13世住職登誉上人のお諭しにより、徳川家康が戦国の世から平和な世をめざして「厭離穢土 欣求浄土」を旗印としたことでも知られています。志を持つ人々と共に、すべての人が安らかに生きることのできる世界をめざしていきたいと思います。
「無核無兵」は、30年ほど前、青森県六ケ所村の元村長・寺下力三郎さんが、八戸の岩田雅一牧師に送った年賀状の言葉です。日本中から核のゴミが持ち込まれるその地域は、満蒙開拓に駆り出されて命からがら帰国した人々が入植させられ、戦後は石油基地開発が持ち込まれながら頓挫し放り出され、経済的にも翻弄され続けています。そういう踏みつけられてきた人々の立場から、国家の問題、差別の問題、平和の問題を考えていきたいと思います。
住職SNS
◆住職の自己紹介
1957(昭和32)年生まれ。高校では山岳部に所属し、毎月1回以上は山に登り、大学の4年間は男声合唱団に所属し、3・4年時はステージ(演奏会)マネージャーをつとめ、各地で公演活動を行なっていました。
卒業後仏教の大学に編入し、1982年に芝の大本山増上寺で浄土宗の「伝宗伝戒」を受けました。その後約5年間、「(財)全国青少年教化協議会」に勤務し、青少年指導者の支援やテレビ「宗教の時間」の企画制作などに携わりました。
大学を卒業して仏門に入った1980年、インドシナ難民が大量に流出した時期であったのがきっかけで、国際協力・NGO活動に参加するようになり、アジアやアフリカの紛争や災害の現場で人々と接する中で、私たちの地域を含め、コミュニティの大切さを実感しています。
江戸川区内では、環境団体「足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ」、子ども支援グループ「江戸川子どもおんぶず」に設立からかかわり、地域の有志と一緒に取り組んでいます。また、宗教宗派、国境を越えた仏教者・宗教者とのネットワークにも積極的に参加し、平和・人権・環境などの活動に取り組んでいます。
役職等(2023年現在)
江戸川子どもおんぶず 代表
認定NPO法人 パレスチナ子どものキャンペーン 代表理事
NPO法人 足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ 理事
NPO法人 ジュレー・ラダック 理事長
一般財団法人 ありがとうインターナショナル 理事
公益財団法人 庭野平和財団 評議員
原子力行政を問い直す宗教者の会 世話人・東京事務局
宗教者核燃裁判原告団 事務局
NPO法人 国際子ども権利センター 監事
江戸川区松江地区学童軟式野球連盟 会長
共編著訳書
『子どもの権利の新たな地平』(子どもの権利条約総合研究所)
『市民活動のはじめの一歩』(エイデル研究所)
『絵本の中の素敵なおとなたち』(江戸川子どもおんぶず)
『民主主義をつくるお金』(ハンズオン!埼玉出版部)
『現代宗教2010-エコロジーとスピリチュアリティ』(秋山書店)
『天然住宅から社会を変える30の方法』(合同出版)
『なぜ寺院は公益性を問われるのか』(白馬社)
『戦争をしなくてすむ世界をつくるための30の方法』(合同出版)
『世界は変えられる-TUPが伝えるイラク戦争の真実と非戦』(七つ森書館)
『No War! 立ちあがった世界市民の記録』(岩波書店)
『ECOエコ省エネゲーム』(合同出版)
『2003子ども白書』(草土文化)
『テロの背景と日本外交』(江戸川NGO大学)
『検証・子どもの権利条約』(日本評論社)
『小規模社会開発プロジェクト評価』(国際開発ジャーナル社)
『若者と宗教』(創教出版) 他